「飛行場で、待つ人」
絵描きの王子様ルーベンス
私のコンプレックスは、ちゃんと勉強していなかったので
デッサン力がないこと。
骨や筋肉がどうなっていて、どう動くのかをちゃんと理解していないので
サラリとイイ線が描けない。
この上の線画は、おじさんが横を向いているから
なんとかスケッチ出来たのだけれど
これが前を向いていて、手を前に伸ばしていたりしたら
もう、ダメだ...
悔しいから、時々思い出したように、骨と筋肉の付き具合
動き具合の練習するのだけれど... ダメだ〜
これは、あまり楽しくなくて、どうも好きになれない。
多分、上達しないから、嫌になってしまうのだと思う。
絵をもっと上手く描けるようにように、なりたい!
と、思っているのに、肝心要な練習が続かないなんて、ダメよね。
でも
モチベーションが下がった時に、それをぐっとあげる方法が、実はある!
それは、上手な人の絵を観ること
つまり、美術館へ行く!
これは、効き目大!私にとっては、一番良い方法なのでございます。
* * * * * * * *
昨日、ピカデリー界隈を散歩していたので、観たかった
RAA(王立芸術院)でやっている、ルーベンスの展覧会にちょっと寄ってみた。
少し薄暗い部屋の中に入った途端に、別世界が広がる!
あれだけのルーベンス作品を一堂に会して観ることが出来ることは
とても幸福なこと。
もうワクワク!
それなのに...
昨日は、美術館に行くつもりではなかったので
大事な眼鏡を持っていなかった!
だから、よく見えない
せっかくのルーベンス...
あまりのバカさかげんになんだか、可笑しくなっちゃった。
ということで
近くに寄ってみることが出来たスケッチ、版画に焦点を合わせて
じっくりと、本当になめるように観賞してきました。
<どうやって、アイディアを練っているのか>が、伺えて
私は、アーティストのスケッチブックやデッサンを観るのが,凄く好き。
油絵のための習作、素描が沢山展示されていたので
眼鏡のなかった私には嬉しかった。
それにしても、同じ人間なのにこれだけのデッサン力があるって
どういうこと?
ーなんて、比較する相手が違うけれど...
それは才能でしょうか?
練習を手から血が出るぐらいしたのでしょうか?
ー20代の頃、絵が売れたのでフランスに行こうとしていた時
ある画廊主からそんなことを言われたことがありました。
「カオルさん、貴方旅行ばかりしていないで、血がにじみ出すぐらい
絵を描かないといけませんよ』
ルーベンスレベルになったら、それは練習もあるけれど
持って生まれた才能なのかな〜?なんて思いながらじっくりと
筋肉や骨の動きを、線になぞって観ていたのです。
うーん、凄い凄い...
と、ただ出てくるのは、その言葉だけ。
1枚の大きな油絵<The Fall of Damned>のための素描が何枚かあった
その大きな油絵の方には
明るい天国から、溢れ出てくるように
大量の数の人と天使がグワラグワラと落ちる、落ちる、落ちる...
と、こんな様子で描かれているの、とにかく圧巻
よくこの数の身体を描く気になったな〜
なんて思いながらよく見えない私は、近くへ寄れる素描の方へ
逆さまになったり、横になっていたり、ひねっていたりうねったりして
落ちてくる、色々なカタチをしている豊満な幾つもの身体
どの角度からの、どんなポーズでも自由自在のルーベンス!
ふ〜
この展覧会は、ルーベンスだけではなく、それに関連している作家の
作品もあって、それがまた面白かった。
ピカソのデフォルメされた版画が
ルーベンスの習作の隣にあると、ドキッと驚く
ルノアールの女性が、ルーベンスの中にあると
ほんわかした優しさに、改めて見とれてしまい
セザンヌの風景画が、ルーベンスの中にあるとオオーなんと斬新な、と感動
眼鏡がなかったので、よく見えなかったけれど...
ーまた行かないとね!メガネ持って!
ルーベンスの世界に浸りきることが出来た,約1時間で
私の、モチベーションはかなりアップ!
今日から、また筋肉と骨のお勉強始めましょっ。
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