2015年4月8日水曜日

イギリス人の情熱先は...

      「レイジーメイド、キッチンテーブルの冒険」

トレンドをチェック

イギリスで暮らしていると 

【世の中には 色々な人がいる】

ということを、よく思う。

それは、外見的な違いが目につくから 

服装は、東京のようにファッションを気にしている人はわずかだけ!
民族衣装で毎日生活をしている人
宗教上、目の部分だけしか開いていない、全身黒いベールの人
真冬でも、Tシャツで歩いている男達は結構いるし
女の子達も、夏っぽいペラペラ生地のワンピースを着て寒そうに頑張っていたりする

先日日本から来た友人が言ってたけれど、

「日本は3月になるとダウンジャケットは もう 季節外れだからもう着られない」

これは、イギリスにいるとない発想


だけど、『自分なりの ファッション』を持っている 人は
沢山いるのかもしれない。

日本では、みたこともない様な服を着ている人を時々見かける

近所に住む50代女性は、いつも 60年代風のファッションで通勤している   


「これが私よ!」
「ワシはこうなのだ!」
「これがオレの生き方だぜ!」


こういう声が聞こえてきそうな、ファッションで街を歩いている
[年齢の高い人達]をみると

「おー、イギリスだ!」

と、思うのです。

とにかく服装に関して、一般的に
イギリス人は日本人のようにトレンドは追わない。



でも、イギリスでは日本では考えられない程
トレンドに気を使っている部分がある

それ、なんだと思う?


それは、お部屋を飾るインテリアファッション!

壁の色は、今はこれがトレンド
今回は、柄が戻って来た
床材はアンティークのこんな感じで、大理石をこう使う
ランプはインダストリアルなもの
ソファー柄はシンプルからアーティスティックに
ベッドヘッドとラグを変えてベッドルームを新鮮に見せ
今時の南欧風タイルの使い方...etc..etc

インテリアの流行には、結構敏感なイギリス人


とは、言ってもこれが可能なのは、お金持ちがおもなんだけれど
でもお金がなくても出来る範囲で、工夫してトレンドを追う

とにかくイギリス人は家、そのインテリアに情熱を注ぐ!

インテリア雑誌の数も多いし、家に関するTV番組も多い
それにインテリアショップと不動産屋さんの多さと言ったら!


日本でも、家を飾ることに情熱を掛けている人は沢山いるけれど
イギリス人のそれとは、比較にならない。



先日どこかで聞いたのだけれど

フランス人が食事の話で盛り上がる時、イギリス人は家の話で盛上がる
のですって!確かにそうだ...


私がイギリスに初めて来た当時は
家の値段がとても安かったので、20代の若い人が一件目を先ず買って
それを買い替え買い替えして
自分の人生に合わせて家を大きくしていった。

そういうことが可能だったから
余計に過去数十年、家に関してのビジネスが盛上がったのだと思う。

今、ロンドンの不動産は若い人には手が出ない世界一の高値になってしまった
それが、イギリスでの大きな問題なんだけれど

でも、どんなに問題が持ち上がっても
部屋を自分らしく楽しく飾って暮らす
イギリス人の家に対するこの情熱は絶対に冷めないだろうな。

私も次に引っ越す部屋をどういうテーマにしようかと
今からワクワクしている。

でも、その前に、次ぎの部屋早く見つけないと!
















































2015年4月7日火曜日

私の真夜中の遊びの一つは...

今日は、イースターウィークエンドが、終わって
明るい新しい、春の季節が始まったような感じ。


イースターはキリストの復活祭だから、
クリスマスのように、皆家族の元へ帰る人も多いようで
ロンドンのいつもの街は、静だった

でも、私は、イースターホリデーといっても
今年は家族それぞれ皆忙しく、一人だったので
普通とあまり変わらず、部屋に籠って仕事をしていました。



さて、今日のテーマは、
フェイスブックにアップした

【ダイルクロコダイル氏のHappy Easter の絵についての秘密を明かす!!!】



...なんてことはない


この絵は、デジタルペインティングの御陰さま。











これが、ダイルクロコダイル氏のハッピーイースター





でもって、これがオリジナル


この絵を見た時に、目に留まったのは、光沢のある緑のカーテン

その後、ピン!と閃いたのではないけれど
ちょっとミステリアスな絵が描きたいなー
と思い...


ごめんなさい!と言いながら
右側のカーテン以外を真っ黒に塗りつぶした

そして、真っ黒な背景が出て来た時


「イースターだしやっぱり、これは卵しかないか...」

と、なって

「キリストの代わりは、やはりダイルクロコダイル氏しかいないか...」

と、なり



こんなカンジで描いた1枚

こういうことが出来るって、本当に楽しいなーとつくづく思いながら

描いたのです。

コラージュする事が大好きな私には、
iPadを持って、願ってもない遊び道具を手に入れたカンジ!

 
確かに、この手のコラージュばかりやっていたら飽きちゃうのだけれど

でも、たまにこんな風な,ふざけた絵を

一人部屋に籠ってワインでも飲みながら
真夜中の時間にコソコソと描く!


これ、私のお楽しみの時間の一つなのでございます。




















2015年3月28日土曜日

付けて削ってやっと出来上がる、ケイティーのように...



「 行ったことのない散歩道だ… 」

というのがこの絵のタイトル



これは、もっとも私らしい絵だなー、と思う作品の1枚です。

意味も訳もなくて、ただ描きたいものを描いているシンプルな絵だけれど
何かストーリーが出来そうなカンジの絵...

というか...
『楽しんで描いている、私のその気持が出ている1枚』
だと思います。


どうもうまくいかなくて、嫌々描いていると
それはどんどん変なものになっていきます。
どんなに時間を掛けても、そういう時に描いた絵は
失敗に終わります。

逆に、うまくいく時は、さらりと絵が描けちゃいます。
この絵は、まさしくそういう1枚です。

私が絵を描きたくなるきっかけ、というのは本当におかしなもので

肘の曲げ具合が後ろから見ると面白いな

と思って、そこから描き出してどんどん広がって行ったり

いたずら描きしていたら、ちらりと面白い絵が出来て
そこからストーリーが始まったり

地下鉄の前に座っている人が気になって、スケッチしたら
それがキャラクターに育ってしまったり...


とにかく、そんなちょっとしたことがきっかけで絵を描き始めることが多い
そして、その場合だいたい私の好きな絵が出来上がるのです。


アートクラスの教室内で

テーマを与えられて、それで絵を描くと

「私こんなに下手なんだ...」

という絵がだいたい出来る!


これはトレーニングだから、イイ絵が描けなくてもよい
のかもしれないけれど、しかしそれにしても
笑っちゃう程 ” つまらない絵 ” になる。

やっぱり、遊びの中からでないと、ダメなのか???





私は、観たモノを写し取る様に上手には描くのがとても苦手

「観たものをそのまま描く」という訓練はモノを良く観察する
ということで、とても大切なトレーニングだと思うのだけれど
やっぱり、好きじゃない。
目と手が痛くなるし、肩も痛くなってしまう!
そして、楽しくない



私の絵の描き方が、どこからきたのか、よく判らないけれど
でも、確かなことは、学校の美術の時間だけからではない、ということ


学校はダメだ!

ということではなく

学校は無駄なことなく一番近道の良い方法を教えてくれる所だから
とてもありがたい場所だと思う。
私もある学校で、本当に素晴らしい先生と出会ったことで
もの凄く良い影響を受けたことがある。

学校に行くのはイイ手だと思う。
だけど、アートはやっぱり無駄と思えることを沢山経験して
それを削って削って出来上がって来る、と思うから

やっぱり学校だけじゃ,ダメなんだろうなーと、思うのです


色々なものを沢山観て,経験して沢山引き出しを持っていないとダメだ!


と、いうことはよくきくけれど、これって本当にそうだと思う。


先日、何処かで読んだのだけれど,イギリスのゴシップ記事を賑わす
ケイティープライスが、18歳から顔や身体に整形手術をしまくっていたけれど
ついに胸を元のサイズに戻したらしいのです、彼女は今そのサイズになって
とても落ち着くっていうことが書いてある、記事だった...

全然話違うようなんだけれど

無駄だな、と思うことを沢山観て、経験して、拾い集めて
そして、今度はその中で大事だと思うものを見つけ出す様に
いらないモノをそぎ落として、落としていったら...

きっとキラリとひかる、モノを見つけることが出来るのだろうな
と、思うのです。


写真でみるケイティープライスはいらないモノをそぎ落として
シックなメイクとドレスで、カッコ良くなった!

これからが本番
きっと彼女らしいステキな人生を見つける冒険が始まるのでしょう!


























2015年3月22日日曜日

食わず嫌い #2

「カップの中、気になる...でも、ちょっと上に登るのは面倒だし...」

迷い


このダイルクロコダイル氏、迷っているらしいのです
いつもだったら、意外と迷わずに、気になる所へ入って行くのだけれど
ここは、なんだかちょっと面倒に思ったらしい...

さあ、ダイルどうする!?



さて、前にも書いたと思うけれど、
私は以前は、絶対にデジタルペインティングはしない!と
強く思っていた。

どうして、そんなことを思っていたのか?
それは、ただの、イメージから

絵は、紙やキャンバスに描かなければいけない、と
思い込んでいたから。

それに、デジタルで描くなんて、楽しくないと思っていた。

私は、触感を大事にするタイプだから、テクスチャーの無いものなんて
絶対に、私のものじゃない!

と、強く拒否していたのです。


でも、流石ホックニー


私のこの思い込みをいとも簡単に、崩してくれたのです。


「なんだかんだ言ってないで、とにかく新しいマテリアルとして、やってみなさい!


と、押して下さったのでございます!


良かった!やってみて!


とにかく、ベッドの上でも描けるし、エアーポートで飛行機を待つ時間にも描ける!

これは、どっちがイイとか、悪いとか言う問題じゃなくて

違うことなのだ!

と、やってみたら、判ったの。



知らなかったから、という理由だけで
好きじゃない
イイと思わなかった
と、避けている

なんともったいないことなのでしょう。


でも、よく考えると
食わず嫌いで避けていることって、とても多いように思う。


先ず、好きか、嫌いか判断する前に
そのことについて知らなければならない

こんな当然のことなのにそれをしないで
多分そうだと思うからって

嫌い!

と、言ってしまうことは

実に、もったいない!

そういう経験で、多分一番古い記憶は、泳げる様になった時のことかな?

水が怖くて
泳ぐなんて嫌だと思っていた小さな私は 忘れもしない…

水上温泉の露天風呂で!
泳ぎ方をついに知ったのです!

それからというもの、私はとにかく水の中にいることが大好きになりました。


嫌だと思っていたことが、こんなに好きになることもあるのだ!
ということを、あの時知ることが出来たのは
小さい時の私の大きな発見!


でも、その後の人生考えてみると、学んでないなー
あの時の気持を忘れちゃって
嫌なものは嫌!と、避けていること,結構ある。

出来ないと思うから
嫌いだと思うから
と、やってもいないで、知りもしないで
決めつけることを、とりあえずやめる!
そして、少しでもいいから、やってみる


実はね、そういうことが沢山あるのだけれど、
その中で、とてもとても気になっていることが私には一つあるの

それは、随分前から気になっていて、やっていないこと...


それは,瞑想!


なんとなく、面倒だとか、時間がないとか、
ジットしているのは私のタイプじゃないとか
色々言い訳をしている


私の息子と姉からも勧められている

けれど、やっていないことだったのです。



何か新しい世界を開けてくれるドアのような気がするから
とても興味があるのだけれど...




もしかしたら、それを知らないって
とてももったいないことなのかもしれない

やっぱり、判断するのはある程度やってからじゃないとね

その嫌だと思っていた向こう側に、どんなに素晴らしいものが
潜んでいるか判らないものね。




瞑想していると、集中力が高まる、とか精神的にぶれなくなるとか
とにかく、他の方法では得ることが出来ないような力を手にすることが出来そうだし

やっぱり、生きている間、これは習慣にした方がいいのかも...

でも、出来るかなー、習慣になるかな〜???





とにかく、始める前に、ぐちぐちと、色々なことを考えないで
始めてみましょうよ!

と、思うのだけれど


なぜかいつまでたっても始めない 瞑想


どなたか私の背中を押して下さいませ!







2015年3月20日金曜日

本物の中に入って気がつくこと


「山頂到着」

前を向いて進まないと!


ダイルクロコダイル氏、何気なく あんな高い山の
上に登っている。


そういえば 去年、私も何気なく、登山着着用ではなくて、普通の冬のコート で
シャモニーの雲の上に出てしまう、富士山よりもずっと高いアルプスに登った

普通だったら、そこは想像の世界でしかなくて
とてもとても 大変な思いをして、やっと登らないと
見ることが出来ない場所

登山上級者しかみることのできない世界なのだ!

その想像の世界へ  ケーブルカーを乗り換えながら
スイッと、登ってしまった。



ケーブルカーに乗るのに待っている人達は3組に別れた


* 私達みたいな、ただの観光客
* ちょっとトレッキング組
* 装備万端の登山組、というか彼らは頂上から下山するのだ
  だから、ある人はスキーも担いでいた


その中にモコモコした毛皮のコートにブーツ姿で立っている私は
恥ずかしく感じていた。


本物の中で一人だけ偽物...

ばつが悪い、格好悪い、気まずい、気恥ずかしい


こんな感情を持ってしまった!


山頂についてしまえば、
そんな気持もすっ飛んでしまうような絶景に狂喜乱舞で
私には絶対にどんなことがあっても
登ることが出来ないこの山頂へ連れて来てくれたケーブルカーに
ただただ感謝するばかりだった

けれど

その時に感じた、本物の中の偽物としての居心地の悪さを
時々思い出す度に、ちょっと苦笑してしまう

そしてこういう恥ずかしい思いをするっていうこと
私にはよくある事だ、と思った。



先月から始まった、アートクラスに通っているのだけれど

私は、ここに行くと、本物の中の偽物の恥ずかしい気持で一杯になってしまう


私は、基礎のトレーニングをちゃんと受けていないから
意を決して遠近法/影、トーンの違い/対象物の関わり方
など、本当に基本編を学びに行き始めたのだけれど

【島田カオルよ、思い知れ〜〜〜〜〜!!!!】

って、私の描いたものが私に向かって、世界に向かって 叫んでいるのが 

見える!見える!聴こえる!!聴こえる!!!

あ〜、本当になんという情けなさ!




私の友人が前に話してくれた

「学校へ行くとあまりにも出来ない自分に情けなくなって
凄く落込んでしまう、悔しくて情けなくて、本当に嫌になる

でも、その時に娘が言ってくれたの

『ママ、出来ないから学校へいったんでしょ?』

そんなふうに、励ましてくれて気持がまた戻ったことがある」




私も、その言葉想い出して、自分の背中を押すことにした。




自信を失ってしまったり、自信が付いてきたりして
それでなんとか少しづつ成長するしかないです。



やっぱり、あの落込んじゃうクラスへ又行かないと...





ケーブルカーに乗って,スイッと山頂まで登ってしまった私は
最高に素晴らしい思いが出来た、と思うけれど

下から、少しづつ登っていく時にしか見えないもの、味わえないことが
沢山あることも想像出来る


私は、これから4000メートル級のアルプスに挑戦!

なんて、全然気はないけれど


絵の勉強をする時は、ケーブルカーにヒョイッと乗らないで
少しづつ自信を付けながら、上に向かわないと...

なんてね、最近ちょっと思っているの。




ケーブルカーは、最高だったけれど

一歩一歩も忘れずに...















   






























2015年3月16日月曜日

嵐の中でも平然と


「のんびりと、羊のおばさん」

自然の中でたくましく生きる


イギリスの田舎に行くと、どこにでもいる羊は
近寄ると、こうしてこちらをじっと見つめるのだけれど
私が違う方向へ歩き出すと、また 草を食べ始める

いつもいつも食べている!

そういえば、私の友達が面白いことを言っていた

「野菜だからって、沢山食べたら太るのよ
だから、ダイエットする時は、
なんでもとにかく少量!少量の食事よ!
牛をみて、食べるのは草だけなのに、ずっと食べているから
あんなに太っているでしょ!」

そうよねー、確かに…
野菜だからって、安心して沢山食べちゃいけないのね… 



この絵を見て、思ったことは
そんなダイエットのことの他に 
もう一つあるのです。



それは、私が羊に憧れている 
自然の中で生きることが出来る強さのこと 

先日もスコットランドの オドロオドロしい荒野の中で、嵐の中で 
何食わぬ顔して草を食べ続けている羊をみて、思いました。

大自然の中で 何が起こっていても、我関せずという、あの強さが
たまらなくうらやましい、あの強さが私も欲しい … 

快適な生活を手に入れてしまった時
自然の中で生きる力を失ってしまった私 

雨に濡れるのも嫌だし、冷たい風も嫌、
夏になれば、暑すぎるのも、臭い匂いも耐えられない
そして、なによりもなによりも 嫌いな 蚊!


大嵐の中でも平気で草を食べて毎日を過ごしている 羊を見る度に

あんな強さが 私にもあればいいのに… 
と、そんなことを思ってしまいます。


すると、 
私のことをさっきから ジッと見ていたら一頭の羊が
近寄って来て、言いました。

そんなに快適な都会の生活があるのだったら
それを味わいたいわ
それにあなたもこの生活に憧れているのでしょ?
だったら、私達ちょっと生活を 交換しましょうよ! 」 

こうして、私は羊のおばさんと入れ替わることになりました。


羊の姿になって大自然の中に放りこまれた私は
平然と山々を歩き回りました。
お腹が空いたらいくらでもある草をむしゃむしゃと食べて
朝から日が沈むまで、何を考えるでもなく自由に暮らします。  
人魚のいるビーチへ行って、人魚とお喋りすることだって、出来るのです! 
雨がふっても 風が強くても雪が降っても、氷が降っても、暑くなっても
虫が来ても 何があっても
もう気にしない! 私は自然と一体になったのです!
そういう力を手に入れたのです!


一方人間の姿になって都会での快適な生活を始めた羊のおばさんは

あの広い広い荒野から 
 色々な家具があって邪魔でしょうがない ギューギュー詰めの
小さな 小さなスペースに引っ越してきて 
歩き回ることも、走ることもあまり出来なくなってしまった
ことにまず相当驚いてしまいました。
それから いくらでもある草を自由に食べていたのに ここでは、 
お金を出さなければ
何も食べるものを手に入れることが出来ないってどういうこと?
小さな部屋の中では 風を感じることが出来ない し
あの気持ちの良い雨の代わりがこの 小さなシャワー?

 一体、何が快適な生活なの!大嘘つきのコンコンチキ!」 
と、怒り出してしまいました!




… なんて、また変なことをボーッと 考えていた私は
急な崖の上から平然と私を見おろしている 羊のおばさんに気がつき
記念に一枚写真を撮りました。  

あっ、急がないと、山の向こうから黒い雲がこっちに向かっている!
雨が降らないうちに車に戻らなきゃっ!

羊のおばさんは、もう少し上 まで登ると そこでまた草をむしゃむしゃと
食べ始めました。

私が車に着く前に空は、恐ろしげな黒い雲に覆われて
雨は降り出し風も出てきて…
また嵐が来るそうです。

羊のおばさんは、その中で相変わらず平気な顔して
草を食べ続けているのでした。
















































2015年3月14日土曜日

ダイルクロコダイル氏 おはなしおはなし...




「最北島、地の果てのピアニスト」


この絵も、随分前に描いたので、どういう気持でこれを描いたのか
全然覚えていない

でも、今改めて観てみると...

観てみると???

うーん、やっぱり、よく判らない!


だけど...

この絵にはなんとなくストーリーが見える


では、この絵から聴こえてくるお話を致しましょう〜!



*     *     *     *     *     *     *



昨日まで嵐が来ていた最北の島の天気はいつも悪いのですが、
この日は珍しく,太陽が出ていました。

【海藻が固まって珊瑚のようになりその一帯は
ピンクがかったミルク色のビーチになった。
そしてそこにはとても美しい人魚が暮らしている】

と言われている、海岸のある島を
訪れたダイルクロコダイル氏は
朝早くからそのビーチを探して、歩き回っています。


私は、ナイル生まれだからだろうか?
こういう冷たい北の僻地の、誰もいない、何もない荒野にいると
恐ろしくて、ぞくぞくしてしまう。
でも今日の天気だと、この荒野も少しばかり優しく見える
いつもの、あの荒々しく恐ろしい姿を
今日は私のために引っ込めてくれている

この天気だったら、怖くない!

今日はチャンスだ!

そう思って、朝食も食べずに,何時間も歩きどうしでいた
ダイルクロコダイル氏は、いいかげんおなかも空いたし
足がクタクタになってしまったので
美味しい田舎料理を出してくれるパブでもないか
と近くの村へ向かうことにしました。


暫く歩くと、遠くからピアノの音が聴こえて来ました。
人里離れたこの荒野で!僻地で!
ピアノの音を聴いたダイルクロコダイル氏は
まるで都会のあの居心地のよい自分の部屋に
一瞬戻ったような気持になりました。

美しい音色に惹かれてその音のする方へ歩いて行くと
どうやら、それは海を見下ろす丘の上に、
ぽつんと建っている、あの小屋から
聴こえてくるようです。

疲れていたダイルクロコダイル氏ですが、
丘を登り小屋の方へ行ってみることにしました。
小屋には小さな窓があったので、そっと覗いてみると
グランドピアノを弾いている
厳つい顔をした大きな男の姿が見えました。

ダイルクロコダイル氏は、そのままの姿勢で
小窓に顔を押し付けながらしばらく聴いていましたが
どうしようもなく足がくたびれてしまったので
そこにあるベンチに腰掛け
美しく、優しく軽やかな
でも少し悲しげなピアノ曲を
聴かせてもらうことにしました。

一曲終わった時に
思わず拍手をしてしまったダイルクロコダイル氏に
気がついた大男は、小さなドアから首を縮めて外に出てきました。
両手をいっぱいに広げて大きく伸びをすると
ダイルクロコダイル氏をちらりと見ました。
そして、にこりともせずに、厳つい顔のまま
ベンチに腰掛けると、まっすぐ海の方を向いたままで
今作曲しているピアノ曲の説明を始めました。

しばらく話した後、時計をみると言いました

「そこにあるパブで、ビールでもどうだ?」


その厳しい顔に似合わず、お喋りな大男は
数パイントのビールを飲みながら、自分の作品のことだけではなく、
生い立ちから、どうしてこの島に来ることになったのか、など
次ぎから次ぎへと話し続けました。

大男の名前はウィリアムといい、本当の職業は庭師なのだという。
それが、どういう訳で,作曲家になったのか...
それを、長い時間をかけて,ダイルクロコダイル氏に話しました。

クジャク夫人のもとで訓練されているダイルクロコダイル氏は
長い話を聴くことには慣れていました。
それにしてもこの大男の話は、
クジャク夫人のそれに勝るとも劣らず延々と続くのでした。




父親の後を継いで、庭師になったもの
夢だった作曲家になることを諦めることが出来ず
庭師の仕事をやりながら、ピアノ曲を創り続けていました。
しかし、どうしても思うような曲を創ることが出来ずに
悩んでいるたウィリアムは、友人と一緒に旅行中、偶然立ち寄った
この北の僻地の島で、ミューズと出会い恋に堕ちました。
そしてその時、世界は言葉どおり、バラ色に一変したのです。
彼の頭の中ではバラの咲く音が鳴り響き
手とピアノを使ってそれらの音を捕まえるように弾き始めました。
そして、庭師の仕事をキッパリと捨て
作曲に没頭するようになりました。
しかし、永遠に続くと思っていた数年の幸福な日々は
あっという間に過ぎ、恋が終わりをつげました、
ミューズがたち去り、ウィリアムは不幸の沼へ落ちてしまったのです。
そして、その不幸をひとつづつ確認するように
暗く寒く長く続く島の冬の中で、自分自身を痛め続けたのです。
しかし、恋の力が、ウィリアムに魔法をかけ、作曲をさせたように
失恋も、またそれと同じ力を持っていました。
悲しみの沼から這い出すためにもピアノに触れなければ
と、まるで見えない失恋のミューズに背中を押される様に
ウィリアムはピアノに向かったのです。
そして、あの時と同じ様に、頭の中で鳴り響く音を追いかけ
溢れ出て来る音を、狂ったように五線譜に書き留めるのでした。

そして、今、彼の創りだした曲の数々は
映画やドラマなど,色々な場面で使われる様になりました。
厳つい顔をした大男に似つかわしくなく
優しく美しく、軽やかだけど悲し過ぎるこの音色は
彼の人生そのものだったのです...


長い長い話を短くすると、まあこんな感じになるのでした。


やっと話が終わった頃には、外はもう暗くなって、風も出て来て
パブから出た時には、雨が降り始めていました。

今夜からまた、この島には嵐が来るそうです。


つまり、今回はあの人魚のいる美しいミルク色のビーチを
見つけることは、出来そうもない

ということです。


ホテルの部屋に戻り
ヒューヒューうなりながら、だんだん強くなっている風の音を聴いていると
ウィリアムの奏でるピアノ曲が一緒に聴こえてくるようでした。

暖かいお風呂から出て、気持ちの良いベッドに入りながら
つくづく思うことは

「この島に来た目的を今回果たせなかったけれど
その代わりとなる,素晴らしい出会いもあったし
やっぱりこの島に来て良かった」

ということ...


クタクタに疲れていたダイルクロコダイル氏は
ベッドにはいると本も開かずに、寝てしまいました。